ここでは、「なぜ?」という平仮名2文字がもつ問題解決の力についてまとめます。仕事もプライベートでも問題はいつの時でも起こるもの
そんな問題を「ささっと」解決できたら悩むことなくスマートに解決することができたらある意味生活、仕事が変わってきますよね
「なぜ?」には、そんな生活をも一変するやもしれないパワーがあると思っているので私の仕事になぞって説明していきます
ヒアリング下手な営業マンに贈る”なぜの呪文“
私はマイホーム購入のお手伝いをする仕事、いわゆる注文住宅の営業です。
私が入社した2014年の頃は、厳しいノルマがあったのですが、2年位前から緩和されました。
ノルマ無しにはなっていないので今も全ての営業は、売り上げノルマを達成する為に日夜努力をしています。
今回は、日夜努力を重ねているものの、なかなか結果に繋がらない所員(Hさん:45歳男性)の接客〜契約までの内容について考えてみたいと思いました。
彼はとても仕事を頑張っているのですが、契約が取れなくて四苦八苦しているのです…
Hさんが契約を取れない理由、原因は、どこにあるのか?と考えた時にその1つに以下があるのではと思っていたんです。
自分が時間ある時にHさんの接客や打ち合わせの話の内容を聞いていると
質問の量が足りないのでは?
と感じました。質問の内容、量がありきたりで表面的。もっと踏み込まないとお客さんの求める満足度の高いマイホーム、契約には繋がらんぞ!
これらのことからHさんが苦戦している理由の一旦が見れたけど結構重症なのかなぁという印象。
この仕事をしている人はご存知かと思いますが、以前も書いた様に初回の接客、内容がとても重要なんです。
そこでこのHさんには、以下の方法で改善を試みようと考えました!
クリティカルシンキング(批判的思考)とは
- 前提を疑う
- 論理的に推論する
- 思考の多様性を追求する
前提を疑う
Hさんは、前提を疑う事を殆どしません。
Hさんは根っからの真面目な性格だし、頑固で実直なんです。良い人なんですが…
お客様には必ずアンケートを書いてもらってからモデルハウス内を案内します
アンケート内の建物予算欄に「2,500万円〜3,000万円」へチェック入れる方多いのですが、これについてはなんとなくの人が圧倒的なんです
なぜなら大半のお客様は
図面もまだ
住宅ローン検討もまだ
見積もりもまだ
みたいな状態
多くの人は、会社の同僚が、すでに家を建ててそこからのアドバイス(モデルハウスに行った時、予算は低めに設定した方が良いよ)を参考にしたりネットや雑誌などで目にした印象程度からスタートする場合がほとんどだし初対面の営業に対して本心を言う人は少ないわけす。
でもHさんは、そのアンケートの予算やその他の情報を疑うような事は殆どしないのです。
お客様が話した内容を額面通りに受け取って行動してしまうんです。
悪いことでは無いのですが、大抵の場合それだけではダメです
だって、言われた通りのことを対応するのは当たり前だし本当か概要か否かの確証も薄い
お客様は、価格を上回る以上の価値、提案を望んでいるのでプラスアルファの行動をとる必要があるわけです
前提を疑う事を殆どしないので本当はもっと予算があるのに営業側の着想、思い込みで小さい間取りで提案してしまったり、自己資金(家だけに使えるお金)ももっと出せるけどその分を含めずに見積もりを出したりと枚挙にいとまがないのです
論理的に推論する
お客様との打ち合わせが終わった後、Hさんから結果の報告を受けますが、次回以降の打ち合わせ、流れのイメージが薄く契約とは違う方向へ向かうこともしばしば
加えて打ち合わせ前の段取り力や仮説立てがとても苦手なのです
前提を疑わない真面目な性格と初回から契約までの段取り作りが苦手なため、なかなか話がまとまらないのです。
論理的に推論するとこが苦手なんですね
その辺りが旨い営業は、先回りをして仕事、流れを組み立てられる。これは営業に限った話ではなくどんな仕事でもそう。まず正しい流れを知り作りその後は2手、3手先を意識しながら目の前の仕事をこなす。
スタートからゴールまでの流れを仮説としてイメージしシンプルに実行していくことがとても大事です。
思考の多様性を追求する
お客様と初回〜契約までの打ち合わせ回数は、平均すると4回〜5回が多いのですが、Hさんの場合はそれよりも2〜3回多いです。
間取りもそうですが、全体的に話の内容が纏まっていかないのです。この辺りも質問力の差なのかな…
通常の打ち合わせイメージは
- 逆三角形の様に最初は沢山の希望や要望、不確定要素、不安などがあり
- 打ち合わせごとに少なくして行き
- 5回目位で内容が整理され
- 契約
契約という一本のトンネルを抜ける感じなわけです
Hさんは根っからの保守派というか、自身の20年以上の住宅営業経験を時代が移り変わっても守り続けている様なんです。
昨今の情報化社会で自分と年齢が10歳以上も違えば、考え方も価値観も違うはずなんですが、その辺りは会社のマニュアル、自身の経験に沿って説明しているから問題ないと思っている様なんです。
更にお客様のプライベートに関しては、殆ど関心がないようで趣味や休みの日の過ごし方、生い立ちなどから見えてくるものなどには、全くに近いほど関心がないんです
「相手の関心に関心を持てと」
いつも注意しているのですが…
例えば
オール電化がいいのか、ガス併用がいいのか迷っていて決められない。その裏には、床暖房への関心が強かったりするのですが、オール電化の説明とガス機器の良さを伝えて話しが終わってしまう。
相手の関心ごとへの聞き込みが甘いよと
他には、子供部屋の大きさ決めの時は、自分が育った子供部屋サイズに影響を受けるケースが多いのでご夫婦には

何畳の部屋で育ったんですか?
なんて聞いたりします。そうするとご夫婦ともに
4.5帖の部屋だったんで
「自分の子供も同じで充分」
「子供には自分達より広い6帖の部屋を与えたい」

といった具合に聞けばプライベートな思いやそれを基にした要望が出てきたりします。
クリティカル・シンキングとは、議論の前提条件が「本当に正しいのか」と疑問を持って、考えを深めていき課題を解決していく思考作業
Hさんには、クリティカルシンキングにあるこれら3つの要素が、他の所員より圧倒的に足りていないと感じたんです
クリティカル・シンキングは、物事の結論を導く過程において、
「なぜ?」「本当にそうなのか?」
を批判的に問うことで納得のいく結論に到達するための思考法でもある
クリティカル・シンキングは
「本当にその前提が正しいのか検証したうえで本質を見極めること」
でもあります
Hさんには「なぜ?」を呪文のように唱えながら接客に望んで欲しいものです!
まとめ
クリティカル・シンキングは、「なぜ」を繰り返す事で物事の本質にたどり着けたり、相手の心の深いところまで知ることができる手法です。
営業の仕事でも日ごろから
「本当にこれでいいか」
「なぜ、どうしてなんだろう」
を考え続けることで、見えないものが見えてきたり物事の本質を捉えられるようになります。
今回はHさんを例にまとめたんですが、自分も営業成績が振るわない時は、「なぜなぜ思考」に立ち返ることにしています。
目の前の問題や疑問に出くわしたらまず「なぜ?」を自分に問うてみる
最終的な答えにたどり着くまで「なぜ?」を繰り返す
「なぜ?」が必要にならなくなったら
それが問題解決の答え、もしくは答えに限りなく近い要素になる