新築住宅で無線ルーターの設置場所・設定を決める時の考え方

注文住宅

新たにWi-Fi無線ルーターを設置する時に設置場所の設定をどこにすべきか悩みませんか?特に新築住宅の場合、これから家を造ろうというタイミングでまだ図面でしかない訳で心配になりますよね

ここでは、そのような悩み、問題の一助になるべくWi-Fi-ルーターを置く場所の考え方についてまとめておきます。

実際に私の自宅が注文住宅で2006年に新築したのち数回にわたりWi-Fiルーターの機種を変え場所を変えしてきた経験もあるのでそれらも踏まえまとめてみました。

自分の仕事は、注文住宅の営業です。当社の場合、営業が決めないといけない仕様の範疇がとても多いのでこれは大変でもあり裏を返せば知識がたくさん身につくのでトータルの提案が可能で家全体を最適化できるという点では、施主にとっていいことだと思って日々活動しています。

今回は、(建物完成後の)無線Wi-Fiルーター(以下、無線ルーター)に付いてのまとめです。

基本的には電気配線図を作る時に無線ルーター置き場所とそれ以外の機器の利用場所を考える必要があります。建物が大きくなると結構悩むんですよ。

以下の記事を参考にWi-Fiルーターの設置場所を決めてください!

新築注文住宅の無線ルーターの置き場所の決め方

最近は、9割位の方が無線ルーターを選びます。ちなみにそれ以外ですと有線LANやケーブルTV経由からのLANのいずれかが全体を占めています。そこで今回は無線LANに絞ってまとめることにします。

前提として無線ルーターの電波の性質を理解する

Wi-Fiの電波は、金属などに反射するのでルーター本体と無線で使いたい相手のパソコン、ゲーム、TV等との間に金属要素を含むものがない環境がベストです。

以下にルーター製作大手のBUFFALOに無線ルーター利用・設定上の注意があったので引用します。

・壁・天井などの障害物を通り越して無線通信をする場合、壁・天井などに 使用されている素材によっては通信できない場合があります。


・一般的に、金属・コンクリート・土壁・断熱材・金属性の素材が入ったガラス 木材などは電波を通さない、または減衰退させることが考えられます。

・金属は電波を反射もしくは吸収をします。

・コンクリートや土壁・断熱材などの 高密度素材・高湿度環境は電波を減衰させます。

・木材などの場合も減衰退する場合があります。

・電波が通りそうな構造材であっても、密度、または通過する物体の量などに よって電波を減衰させてしまいます。

・目に見える障害物以外にも、電波干渉による影響などもあります。

BUFFALOのHPより抜粋

これらのことからも無線ルーターは、周囲に障害物がない場所に設置するのがベスト。

一番ダメなケースは、無線ルーターを金属製ラックの棚の奥に設置するケースですね。

こういったことに詳しい施主の方もいらっしゃいますが、大半の方はお任せされるのでこちら側である程度の知識を持って提案する必要があります。

更に厄介なのは、無線ルーターには電源のアダプタとプロバイダによってはONUという機械とそのアダプタが付いてきます。

ONUは光回線を家の中に引き込んだ際に設置される装置で、光信号とデジタル信号(電気信号)を相互変換する役割を担う装置です。

よってそれらのスペースに加え電源が最低でも2〜3個必要になるのです。

これらを前提に家の中のどの位置に無線ルーターを置くかを考えるわけです。

更に最近のルーターは、周波数帯を2.4GHzと5GHzの2種類を持っています。

2.4GHz帯のメリットとデメリット

メリット:2.4GHz帯は周波数が低く、電波が遠方まで届きやすい点。また、壁や床などの障害物にも強いため、隣の部屋や階上の部屋にも電波を届けることが可能。

デメリット:2.4GHz帯は、Wi-Fiだけでなく、家電やIHクッキングヒーター、Bluetoothなど、ほかの機器も利用する周波数帯のため例えば2.4GHzのWi-Fiルーターの近くに電子レンジがあれば、お互いの電波が干渉し合い、Wi-Fi(無線LAN)の電波が弱まります。これにより、ネット通信の速度低下や切断が起きてしまうおそれがある

5GHz帯のメリットとデメリット

メリット:Wi-Fi専用の電波。そのため、ほかの家電が出す電波と干渉せず、安定的に通信を行うことが可能

デメリット:壁などの障害物があると弱まりやすい点。もし、障害物により通信速度が弱まった場合は、家の中で電波が届きやすい場所を探してルーターを配置するなどの工夫が必要。また以下のような中継器を買い足して2階のホールなどに設置するのも有り

無線ルーター配置場所の検討順(新築の場合)

  1. 家の外壁のどの位置から光ケーブルを引込むのか(電話線の位置と併せて電気業者へ事前に確認)
  2. 1の位置からなるべく近く(壁の中に配管を通すので費用面やプロバイダーを変える場合、都度外からの引き込み直しが必要になる)で解放的な場所に設置すると尚可
  3. 2のような解放的で見える場所が嫌な場合は、収納内の棚の一番上の段に置くケースが多いのですが、当然、開放的な場所よりも電波の状態が悪くなるのでそれを承知してもらった上での提案となります。上記の周波数で調整
  4. 電源の確保。最低2口(無線ルーターとONU用)
  5. 2の様な収納内に無線ルーターを設置した場合には、同じフロアでも相手の機械が遠く、それらの間に壁が複数あったり2階の奥の部屋などは、注意が必要です。周波数を変えて調整してもイマイチな場合、中継機購入を検討することをお勧めします。
  6. (番外編)どうしても心配がぬぐえない方は、有線LANで考えるのがベストですが、まずは壁の中に空配管(スリーブ)を通しておきます。使いたい場所の近くまで通しておくと電波不良の際、 LANケーブルだけ通せば使える様になるのでこの様な方法もあります

電気配線図のイメージとしては以下の様になりますかね。会社によってLANの表記の記号は違うと思いますが。。。

まとめ

  • 家の中で一番安定的にインターネットを使う場合は、有線LAN接続が最も安定
  • 無線LANで電波が弱い場合は、受信側で周波数(5G⇨2.4G)設定を変えて調整してみる
  • 受信側で周波数調整しても改善が見られない場合は、中継機を購入して設定・設置する
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